現代神輿用語の基礎知識
惜しまれつつ平成18年1月に閉鎖された江戸神輿ねっと振興社共同編集の、ユーモアあふれ尚且つ真面目な用語集。
あ行
あげる
読み:あげる 解説:神輿の一番前か後ろで肩を入れ、自分の肩の高さまで神輿を持ち上げる事。《類義語》上げ逃げ:一瞬だけ上げて逃げること。
浅草
読み:あさくさ 解説: 祭の聖地。年中祭りがある。「アムラ~」ならぬ、「三社~(サンジャ~)」は、4月ぐらいになると落ち着かない。
あだちや
読み:あだちや 解説:浅草のひさご通りにある祭用品専門店。在庫が豊富。
入れる
読み:いれる 解説:神輿を担がせてあげること。《使用例》「おいおい、入れてやってー!!」「お願い。入れてっ。←三社のあお●り」
氏子
読み:うじこ 解説:共通の神様をまつる人々。その神様が守護する地域に住む人々。《対義語》 【氏神】
馬
読み:うま 解説:神輿を担いでいない時に神輿を置いておくための台。《使用例》「うまうまうまうま。」
裏
読み:うら 解説:表の逆で正式な渡御が行われず、惰性で町内会など周辺で寂しく神輿を担ぐ年。近年、裏には人が集まらず、町内会でかわりに運動会などが催される場合がある。《対義語》表
うり
読み:うり 解説:掛け声。おもに男性の掛け声。江戸前に多く使われる。《対義語》ふり
江戸っ子口調
読み:えどっこくちょう 解説:普段使われない口調だが、祭りの格好をすると急にこの口調になる人が多い。祭り以外では、落語で聞くことが出来る。
江戸前担ぎ
読み:えどまえかつぎ 解説:おもに関東地方(東京)の神輿の担ぎ方。「村川担ぎ」が基本。
江戸神輿ねっと振興社
読み:えどみこしねっとしんこうしゃ 解説:現代の祭りについて毎日朝から語り合う裏組織。一代目社長はカボ。※惜しまれつつ18年1月に閉鎖されました。旧所在地 今は閉鎖のお知らせがあるだけ。
大人神輿
読み:おとなみこし 解説:大神輿ともいう。町内で大人が担ぐ神輿。《対義語》子供神輿
おにぎり
読み:おにぎり 解説:祭りの朝途中のコンビニで買っていくもの。個別に買う場合もあるが、会でまとめて買う場合もある。神酒所で出てきたときには、取り合いになることが多い。神酒所の場合には近所の奥さん連中がにぎったものが多く、…
お囃子
読み:おはやし 解説: 祭りには欠かせないBGM。これを聞くと、「担ぐぞー」という気持ちになる。生演奏がもちろんいいが、最近ではテープも多い。《類義語》祭囃子
御神酒
読み:おみき 解説:元々は神様に捧げるお酒の事だがこれを2本持って行くとたいがいの神輿は担げると言う魔法の水。
表
読み:おもて 解説:宮入を含む正式な連合渡御がおこなわれる祭りの年。大祭ともいわれる。《対義語》裏
女神輿
読み:おんなみこし 解説:女性だけで担ぐ神輿。
か行
会則
読み:かいそく 解説:神輿同好会などで決めた約束事。しかしほとんどの会で守られないという絵に描いた餅状態のお約束事。
頭
読み:かしら 解説:祭りの時には朝からお酒を振舞い、家ごと祭りに協力し、半纏、巾着など全て担ぎ手とは一線を期した高級品を身につけている人。来賓等が長々と挨拶する中もイヤな顔一つせず立ちつくし、さァ始めるよって時に一声気…
担ぎ手
読み:かつぎて 解説:神輿を担ぐ人。
かぶりもの
読み:かぶりもの 解説:鉢巻きなど頭に巻いている(かぶっているもの)宮入後のお払いの時や、偉い人が喋るときはとらねばならない。《使用例》「かぶりものをとれ~」《類義語》助さんかぶり
木が入る
読み:きがはいる 解説:神輿渡御の終わりを告げる木の音。《使用例》「木が入ったー。木が入ったー。」
脚絆
読み:きゃはん 解説:ふくらはぎに巻く、羽田、川崎方面に多い祭り用品。本来よこたの心棒に入る人間があとでふくらはぎが張るので、ふくらはぎを押えるために使う。最近ではファッション化している地区もある。会によっては脚袢を巻い…
金龍山身代りお守り
読み:きんりゅうざんみがわりおまもり 解説:浅草寺境内で売っている木のお守り浅草っ子の必須アイテム。紐で首からぶら下げる。最近浅草以外の担ぎ屋達にも重宝され結構みんな下げている。これを下げる事により三社の担ぎ手になったような錯覚に陥る霊験あら…
腰を切る
読み:こしをきる 解説:神輿を担ぐときにする行為。腰を入れることだが、何故か担ぎ手は腰を切ると言う。江戸前担ぎではあまり使わない行為。逆によこた担ぎでは、これが出来ないと潰れてしまう。《使用例》「おい!腰を切れ!この野郎!…
さ行
祭礼(現)
読み:さいれい 解説:原則として日本全国にあり、地元の人間にとっては唯一神輿をどう扱おうと外部の者から文句を言われないとき。ただ外の人間を接待する、という面倒な役割が付きまとい、各地の人間のほとんどが地元の祭礼を嫌うが、…
差す
読み:さす 解説:神輿を上へ高く上げる。神輿(神様)を「差し上げる」の意。《類義語》させさせ:神輿を上へ高くさし上げる時の掛け声。
三社ブルー
読み:さんじゃぶるー 解説:三社祭が終わった後の一週間の虚脱感。
三社祭
読み:さんじゃまつり 解説:三社祭で神輿を担ぐと、「喜怒哀楽痛疲酔」のすべてが味わえる。浅草神社の祭。正式名称は「浅草神社例大祭」。『誰がなんと言おうと最大最強のお祭、この祭で1年が始まる(終わる?)』という考えの担ぎ手は多い…
地下足袋
読み:じかたび 解説:神輿の時にほとんどの人が履くモノ。こはぜが4枚、7枚、12枚のものがある。7枚を履いている人が多い。色は白、紺が主流。三社祭の宮出しに出た人の足袋は、汚れているのですぐ分かる。
地べた
読み:じべた 解説:神輿の担ぎ手は平気で地べたに座ることが多い。普段の服装では座れないような道路でも、祭りの格好をすると平気で座れてしまう不思議な場所。近年では、中高生は学生服でも座ることが出来るらしい。
締め込み
読み:しめこみ 解説:ふんどし。いわゆる男性Tバック。三社祭では、キティーやポケモンも登場。
城南担ぎ
読み:じょうなんかつぎ 解説:品川地区の担ぎ方で、神輿の胴にかならず太鼓がくくりつけられ、笛で「品川ばやし」を奏でる。担ぎ手は神輿に向かい合って、さしあげたり、もんだり、進んだりする。これは神様にお尻を向けないため。《類義語》ち…
甚句
読み:じんく 解説:神輿が担がれる時に歌われてるどっこい担ぎ特有のもの。
水中めがね
読み:すいちゅうめがね 解説:深川のお祭りの時、コンタクトレンズ落下防止に使うもの。
助さんかぶり
読み:すけさんかぶり 解説:あの水戸黄門の用心棒、助三郎がしていたてぬぐいのかぶり方。只今ブレイク中。
青年部
読み:せいねんぶ 解説:祭りの進行をスムーズを行う為に仕切ってくださる方々。青年部とは名ばかりで、実は老年部。
雪駄
読み:せった 解説:祭りの雰囲気を持つ履物。但し、そのまま神輿に入ると後ろの人にとっても迷惑。後ろの人はそのまま蹴り出すこともあるという、影響力の高い履物。
千社札
読み:せんじゃふだ 解説:神社の社の屋根の内側や柱に貼る、自分の名前を書いた札。本来神社に貼る場合は、色のついたものはいけない。最近では居酒屋に貼っているものを見かけることも多い。居酒屋で見かけると「ここには祭り関係者が来る…
ソイヤ
読み:そいや 解説:江戸前担ぎでの掛け声のひとつ。
た行
大拍子
読み:だいびょうし 解説:品川や鮫洲、大森、大井、五反田の神輿についている太鼓の事。神輿を上げるときは、上げ(だい)普通に、渡御する時は平間、狭いところや、橋の上、危険な所は、四丁目(しっちょうめ)差し上げる時は、おたみ。神…
集る
読み:たかる 解説:みこしを担ぐ時に「担げ、担げ」のかっこよくきこえる呼び方。《使用例》神輿に集って下さい。《類義語》棒につく・とっつく
箪笥
読み:たんす 解説:湘南方面で見られるどっこい担ぎ専用の神輿についているもの。カンとも呼ばれることがある。バンドのドラムのようなもので、これがずれるとブーイングの嵐になる。
千鳥かつぎ
読み:ちどりかつぎ 解説:新宿、十二社(じゅうにそう)熊野神社の担ぎ方。先棒の担ぎ方が優雅である。首のうしろで棒の先を受け止めて両手で支え、腰を折らずに足をチョイチョイとだして進む。掛け声は「よいとぉ、よいとぉ」千鳥が浜辺を…
摘み出す
読み:つまみだす 解説:酔っ払ったままで神輿に入ったり、周りの人間に喧嘩を売るものなどがいた場合に使われる言葉。「おーい!摘み出しちゃえ!」などと使う。摘み出されたものは、今後の祭礼に参加できなかったり、会ごと帰らされたり…
手拭い
読み:てぬぐい 解説:祭りの時、頭にかぶる物。お酒を奉納すると貰える。地域によっていろいろ個性があり、手拭いコレクターも多い。
東京江戸一
読み:とうきょうえどいち 解説:祭用具の大手メーカー。
東京音頭
読み:とうきょうおんど 解説:羽田・川崎方面で行われるよこた担ぎの時に唄われることがあるもの。羽田のパレードでは唄い手が、♪おど~りお~ど~るな~~ら♪と唄っている最中に振ってしまうフライングが良く見られる。羽田の大東は振ったま…
渡御
読み:とぎょ 解説:神輿が担ぎ手によって担がれたり、台車に乗せられて巡行するなどして、氏子各町などを練り歩くこと。《類義語》連合渡御:複数の神輿が連なって渡御することを「連合渡御」といい、更なる盛り上がりを見せる。
ところてん
読み:ところてん 解説:先棒を担いだ人から抜けていく担ぎ方。先棒を後ろから順番に担ぐこと。《対義語》前変わり
どっこい担ぎ
読み:どっこいかつぎ 解説:湘南地区の担ぎ方。横棒はなく、真棒二本で担ぐ。神輿の両脇胴部分にはカン(または箪笥)と呼ばれる取っ手のようなものがついており、叩いて奏でるリズムに合せて「どっこい、どっこい」の掛け声とともに担ぐ。
どんぶり
読み:どんぶり 解説:正式名称は腹掛け。前掛けのような形のもので、携帯やその他細々したものを入れるのに重宝する。
トンボ
読み:とんぼ 解説:神輿の担ぎ棒である親棒と脇棒をつなぐ、横棒の事
な行
直来(直会)
読み:なおらい 解説:お祭りの反省会。打ち上げ。要は飲み会。《類義語》鉢洗い【ハチアライ】
永澤屋
読み:ながさわや 解説:浅草にある祭り用具専門店。ちょっと高級。
中屋
読み:なかや 解説:浅草寺の入り口付近になる祭り用品専門店。三社祭近くになると、割引してくれる親切なお店。
は行
白扇
読み:はくせん 解説:元々結婚式の時に新郎が持つ末広の事。しかしおめでたい物として担ぎ屋連中の間で使われている。中にはこれを武器として使用する輩もいる。おめでたくて恐い持ち物。
バスタオルぞー
読み:ばすたおるぞー 解説:神輿の横をバスが通る時に危険を知らせるかけ声。
鉢洗い
読み:はちあらい 解説:祭の後の飲み会。一気飲み大会。《類義語》直会【ナオライ】/笠抜き【カサヌキ】
法被
読み:はっぴ 解説:本来の意味は印半纏のこと。その意味からすれば、本当は会の半纏は法被と呼ぶべきであろうが、実際には町会の半纏とか青色で、背中のところに赤い字で「祭」と書いてある半纏のことを指す場合が多い。担ぎ屋の中で…
初穂料
読み:はつほりょう 解説:神社などで安全祈願などをして頂く時に支払うお金また御札、お守り等神社グッズを買う時に支払うお金。代金と言わない所に宗教法人の無税の片鱗をかいまみる事が出来るありがたいお言葉
先棒
読み:はなぼう 解説:神輿の前後にとおっている担ぎ棒のいちばん先の端をいう。または、担ぎ手をいう。掛け声をかけるにも、前へ進むにも一番目立つ位置。とりあえずどの神輿でも一度は担いでみたい場所で、競争率も激しい。ここを担げ…
腹巻
読み:はらまき 解説:締込をした際に締込が落ちないようまた、お腹が冷えてピーピーにならないようにするものだが、最近ではカメラや携帯を入れられるもの。
拍子木
読み:ひょうしぎ 解説:神輿進行の合図をする。聖なる木。担ぎ手もこれには逆らえない。
鳳凰
読み:ほうおう 解説:神輿の屋根の中央に留まっている大鳥。中国で想像上の鳥。頭はニワトリ、首はヘビ、あごはツバメ、背はカメ、尾は魚に似て五色の羽を持ち、五音の声を有する。おめでたい鳥で、聖帝が世に出て、天下に正しい道が行…
奉納金
読み:ほうのうきん 解説:氏子町内から集められる祭礼費。たいがい余るのだが、余らすと来年あまり集まらないので、無理矢理役員たちで呑んじゃったりして帳尻をあわせる不思議なお金。
ま行
前だ前だ
読み:まえだまえだ 解説: まだまだ担ぎ足りないって言う時に使う、神輿上級者のテクニック。“前だ、前だ~~~”と言いながら神輿を押し戻す事によって更なる盛り上がりを見せる。主に神酒所前の要所要所で見られる技。神輿を前に進め…
纏
読み:まとい 解説:本来、火消しの組の目印だが、最近では神輿の前で振ることが多い。
神輿
読み:みこし 解説:御神体(ごしんたい)がのっている神社の神輿を本社神輿、または宮神輿という。神輿渡卸がある前に御神霊を神輿に移す儀式を御魂入式とか入魂式と呼ぶ。本社神輿のほか、氏子各町会が独自で持っている町会(内)神…
神輿胼胝
読み:みこしだこ 解説:永年神輿を担いでいる者の肩にある勲章。祭りのときにだけ自慢できるもの。触ってみるとちょっと固く、担ぐたびに出来る人と担がない時期も出来たままの人がいる。最近では体質で出来る人と出来ない人がいることが…
水鉄砲
読み:みずでっぽう 解説:深川の水掛で仕返しをするための必須アイテム。
みゃ~
読み:みゃ~ 解説:18歳未満女性限定の担ぐ時のかけ声。西小山が有名。
宮入り
読み:みやいり 解説:本社へ帰り、祭の終わりを告げるのが宮入り。
宮出し
読み:みやだし 解説:渡卸のはじまりに神社の鳥居を神輿がくぐり町へ出ることを宮出しという。三社祭の場合は、大喧嘩大会。
宮神輿
読み:みやみこし 解説:神社に納められている神輿。最近では、担ぎ手不足や諸事情により毎年出ないものもある。
宮元
読み:みやもと 解説:神社の近くの町会。
めうがや
読み:みょうがや 解説:浅草の祭用具専門店。祭用具界のグッチ
睦
読み:むつみ 解説:神輿好きの集まる会。
迷惑防止条例
読み:めいわくぼうしじょうれい 解説:墨田区条例で、神輿の上には乗ってはいけないこと。
や行
役員半纏
読み:やくいんばんてん 解説:町会半纏の一種、主に町会で神輿を仕切る方々が着用する半纏。これを着ていると威張れる反面、神輿を押さえるため肩を入れる事が出来ないというジレンマに陥る。
よい!よい!よいやさ!
読み:よい!よい!よいやさ! 解説:もともと三社祭の宮神輿宮出しの際、神輿が落ちたときに持ち上げる時の掛け声。最近では直会の時の一気呑みのきっかきに多々用いられる。
よいと
読み:よいと 解説:ゆっくり進むときに使う掛け声。神社の出入りの際に、鳥居をくぐったり、電線などが鳳凰に引っかかりそうな時にも使い、江戸前の2倍の重さが、担ぎ手にかかる。「よいと~」と伸ばす場合もある。《類義語》ヤワで、…
横田担ぎ
読み:よこたかつぎ 解説:羽田地区の担ぎ方。かつぎ棒二本に加えて前後に横棒が二本つく。「よこたでおいで、オイッチ、ニィ、サン」の掛け声とともに、担ぎ手が横棒に飛びつき、神輿を軸に左右へぎっこんばっこんと振る。波で小船がゆられ…
宵宮
読み:よみや/よいみや/よいのみや 解説:祭礼の前日に行われる。地区によっては宵々宮が行われる所もある。宵宮の内容は地区によって様々であり、演芸(出し物)を行ったり、夜店が出たりする所が多い。また、万灯神輿を持っている神社は宵宮の夜に担ぐ所…
ら行
連合渡御
読み:れんごうとぎょ 解説:複数の神輿が連なって渡御することを「連合渡御」といい、更なる盛り上がりを見せる。神田祭の秋葉原連合渡御
わ行
わっしょい担ぎ
読み:わっしょいかつぎ 解説:深川地区の担ぎ方。「わっしょい、わっしょい」の威勢のいい掛け声で担ぐ。肩を入れたほうの手を棒にまわし、片方の手は前後に振る。そして走るように担ぐ。「ソイヤ」の掛け声は許されない。
草鞋と草鞋掛
読み:わらじとわらじがけ 解説:元々江戸時代の旅人が旅の際愛用していた履き物。しかし近年宮鳶の頭達が愛用しているのを見た担ぎ屋達に伝染し、粋な履き物とされている。黒の股引に腹掛姿、草鞋に草鞋掛で神輿の前に立つとすご~く偉そ~~~に…
蕨手
読み:わらびて 解説:神輿の屋根の先端にある吹き返し状のもの。この上に小鳥を取り付ける。下締めや化粧を取り付けるのにも使う。