祭にっぽん

祭りと消防団

へんぽらいの祭り談義「秩父夜祭-消防団と祭り」平成20年12月5日より転載し、富士宮の事情を大幅に加筆したものです。

前回見に来たのは何年前だったでしょう。消防団在職時代だからかれこれ10年ほど経つのでしょうか。
3日の見せ場には都合がつかず、前日の2日に訪れたもののあいにくの雨。残念ながら引き回しは中止となり、街を歩き回りました。ふと立ち寄った書店には作美陽一さんの「大江戸の天下祭り」が山積みされていたのを思い出します。作美さんが秩父の方だったからという事でしょうか。この名著も今では入手が困難で、古書でもプレミアがつく状態だといいます。
ある屋台蔵に立ち寄った時に、警備の消防団員の方とお話をさせていただいき、自分たちも地元で消防団員をやっている事を話し消防団の防寒着を見せると、親しみを感じていただいたものか蔵の中まで案内していただき、詳しく説明を聞く事が出来ました。
残念ながら引き回しは見られなかったけれど、それが思わぬ収穫でした。
その時一緒だった消防団先輩の石川さんに声をかけていただき、12月3日に秩父の夜祭りを再訪しました。
最初に見かけたのは秩父駅前の交差点で、本町屋台が方向転換をしているところでした。

写真左側に見える方たちは警備の消防団員でしょうか。


手前のアポロキャップの方も消防団のようです。


屋台の後方の方も、それぞれ消防団関係者のように見えます。
やはり、地域を守る消防団は祭りにもしっかり参画しているんですね。

富士宮の場合

わが富士宮市でも祭りと消防団の結びつきは強いものです。
地元の祭りに関わる青年層は、自営が多く地域の消防団員を兼ねている事が多いです。
地元の祭り以外の催しなどにも、市からの依頼があれば出動しています。

開山祭の手筒花火

7月10日の富士山山開きの日の夜、浅間大社境内の神田川ふれあい広場で手筒花火が行われます。
次々と100本程の手筒に火がつけられ、火の粉を吹き上げる山開きの祭典です。

富士山御神火まつり

市街東西に別れ繰り出します

赤々と燃える御神火を御神火台に戴き、市街を練り歩きます。
この警備に辻々に消防ポンプを配し、火の警戒に当たります。


点火前に御神火台と参加者達が清めの水煙をくぐります。
そしてフィナーレの神田川上りの後に御神火を消火したあとで、また水煙をくぐります。
ウォーターカーテンという水の膜を作り延焼を防止するホースを、御神火まつりでは左右両側から放水し、清めと消火、火照り鎮めに使用します。


我が出身分団が、それを担当しています。

富士宮まつり
ある祭りの夜、放火事件があり担当の町中の消防ポンプが駆けつけると、何台ものポンプ車から下りてきたのはそれぞれの町内の祭袢纏を着た若者たちでした。引き回しを終えた頃、ホッとする間もなく出動がかかりましたが、管轄内の火災では出ない訳には行きません。
素面の人間が居たので出動出来、火災も小火で放水の必要が無かったのが幸いでした。

秋まつりに関わる区域での消防活動で顔を合わす人間は、それぞれの町内で祭りに関わっているものが殆どだと言えます。
住民の生命財産を守る消防団員は、地域の伝統文化も併せて守っているのです。

消防団、がんばれ!

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