祭りと露店
Yahoo!地図の浅間大社航空写真表示をキャプチャーしたものです。
Yahoo!地図の航空写真表示で富士山本宮浅間大社を見たところです。
境内に立ち並ぶ多くの露店が見られることから年に2回の大きな祭りのいずれかだと思われ、広範に詳細に調べた所平成24年11月4日正午近くだと判明しました。
この様に祭りには欠かせない露天商ですが、富士宮まつりの歴史に於いて露天商が一つも出店しない祭りが一度だけありました。
昭和54年11月3日富士宮まつり初日に撮影された我が町内湧玉宮本の記念撮影です。
なんで屋台がここまで入っているかと言えば、境内には祭りだというのに一つも露店が出店していなかったからなのです。
浅間大社西隣が我が町内で、ここに入るには西鳥居の石段を下らなければなりません。
迂回路もあるのですが、気をつければ大丈夫と強行されました。
引き綱を後ろに回し、梃子方が前に着き慎重に進めるのですが、慎重すぎて後ろで引き綱を持つ者たちが力を緩めず、なかなか下りられなかったのを憶えています。
富士宮市教育委員会制作「無形民俗文化財 富士宮ばやし②宮参り」
この年に撮影された8㎜映画、「富士宮ばやし」にも正面参道を進む各町内の宮参り一行が映っています。しかし例年なら両側に立ち並ぶはずの露店が何もありません。
じつはこの年に露天商を束ねるテキ屋と地元の暴力団の抗争があり、殺人事件にまで拡大したため、当局から市民が報復行為などの巻き添えになる事を怖れ、出店の自粛が要請されこれに露天商が従ったためでした。
一方で、各町内の祭りは通常通り行われたので、えらく閑散とした宮参り風景となってしまいました。露店が出ないと聞いていたはずの子供達も、それでも浅間大社に来て、本当に露店が一つも無いのを見てとてもがっかりしていたのを憶えています。
祭りの賑わいは露店あっての物、引き回しをしない地域の子供達にとっては、祭りの思い出はお囃子や山車や屋台より露店での買い物の方なのでしょう。
あんな寂しいお祭りは、もう見たくありません。
==参考リンク==
無形民俗文化財富士宮ばやし①解説 富士宮市教育委員会が製作の8㎜映画 昭和55年頃
無形民俗文化財富士宮ばやし③引き回し 富士宮市教育委員会が製作した8㎜映画 昭和55年頃