遠音 6.再起

身延線下り電車も富士では満席だったものが、富士宮を過ぎるとガラ空きとなった。西富士宮で降りずに乗り越したのは、もたれて眠る若い女性に亡き妻の面影を見たからだ。声をかけて降りればいい。それだけのことだがそれでは惜しい気がした。「そうだな。下部まで言ってみるか。」所帯を持った時、二人で初めて旅行したのが下部だった。

遠音 5.笛吹きを労え

「太鼓は緊張しても上がっていても、叩けば音がする。でも笛はそうは行かない。息が乱れれば音も乱れ、無理に息を使ったら酸欠を起こして中断してしまう」 「太鼓のリズムが乱れバラバラなときは、笛がリードしてまとめなきゃならない。リズムを揃えるために、踊るように自分で拍子を取りながらメリハリを効かす。」

遠音 4.別れ

あまりにもあっけない別れだった。 まるで自分の寿命を知っていたかのように引き出しにメッセージが残されていたので、通夜と葬儀で参列者にかみさんのメッセージを読んだ。 主にかみさんの人生相談に乗った人たちへのメッセージだ。

遠音 3.てっちゃんの決心

墓地の改修が終わる前に、てっちゃんがやせがまんで盲腸をこじれさせたので、病院での緊急手術に付き添った。死んでもおかしくないという医師の脅かしで、てっちゃんは最悪の事態も覚悟したようだ。私に手帳を渡し、東京の住まいを告げた。もしもの時には後始末を頼むというのだ。大げさな。

遠音 2.橋の上で

袢纏を脱いだのは町名を隠すためか。おまけに梃子棒まで持参とはただ事ではない。いきり立っている若者が梃子棒を放そうとしない。仲間がなだめようとしているようだが、頑として受け付けない。 これは殴り込みか。大事にならぬように、何とかしなけりゃならん。

遠音 1.社人町芙蓉亭

午後のちょっと客足の遠ざかる時間に幼なじみのたけちゃんがやって来た。 しばらくして若い女性が合流し、何やら話し込んでいる。そこに帰ってきたかみさんが、私に耳打ちした。買い物帰りに家の前まで来たら、見慣れない男が店を見ながら電話をしていたという。興信所だろうか? 

7月の祭り動画

動画共有サイトYoutubeにアップされた7月の祭り動画から、長くても10分程度の物をいくつか拾い集めてみました。バラエティーに富んださまざまな祭をお楽しみ下さい。

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祭り当事者が紹介するビデオは、冗長で思い先行で偏りがありがち。公式に作られた祭り紹介は当事者にとってはちょっと物足りない感じはするかも知れませんが、限られた時間に必要な事は全て盛り込んである感じがします。 冷静に祭り全体を語る事と熱くほとばしる思いの両方を見る事で、やっと過不足無い物になるんじゃないでしょうか。