保存・伝承一覧

一生一度の晴れ舞台 古式流鏑馬「行い」

平成25年5月5日に浅間大社流鏑馬祭古式流鏑馬の「行い」に奉仕したときの写真で、富士宮囃子保存会仲間の篠原浩一さんに撮っていただきました。 浅間大社流鏑馬祭では二つの流鏑馬が行われます。 一つは流鏑馬祭に引き続いて行われる古式流鏑馬、もう一つは市内練行を終えて夕刻から行われる神事流鏑馬(小笠原流流鏑馬)です。

遠音 10.祭りが終わる時

「笛の用意がない」 と言うところに、すっと健太の笛を差し出す。 てっちゃんの師匠、親父の笛だ。 てっちゃんが良いのか?と見ると健太が頷く。 会所前に居たおふくろを見つけ笛を掲げると、おふくろは手を叩いて「聴かせて」と叫んだ。

遠音 9.閉店

加奈子に一つだけ聞いた。 「祭りの魔法って知ってるかい?」 祭りというハレの日には、子供は目を輝かせ、男は何倍もかっこよく、女は何倍も美しく見え、それにだまされる事がけっこうある。 「知っているけど、四年も見ていれば情けないところもたくさん見てますから大丈夫ですよ」

遠音 8.「へんぽらい」

昔からの町内の青年の柄の悪さは、身を以て経験している。 区長は若い時笛吹きだったけれど、笛を無視してのやりたい放題に、何度堪忍袋の緒が切れた事か。代は変わってもうちの悪たれどもなら確かにやりそうな事だ、とは言え決めつけての無理難題を突きつけられるにはへんぽらいの血が騒ぎ、黙っては居られなかった。

遠音 7.祭り

囃子が始まる。 するすると引き綱が伸ばされ、音を立てて山車が動き出す。 てっちゃんは山車については歩かぬが、少し離れたところで音を追って聴いていた。けん坊の笛はまだ荒い。若さゆえの力任せだ。もっちゃんの笛は緩急と締まりを意識している。あとは笛玉か。

遠音 6.再起

身延線下り電車も富士では満席だったものが、富士宮を過ぎるとガラ空きとなった。西富士宮で降りずに乗り越したのは、もたれて眠る若い女性に亡き妻の面影を見たからだ。声をかけて降りればいい。それだけのことだがそれでは惜しい気がした。「そうだな。下部まで言ってみるか。」所帯を持った時、二人で初めて旅行したのが下部だった。

遠音 5.笛吹きを労え

「太鼓は緊張しても上がっていても、叩けば音がする。でも笛はそうは行かない。息が乱れれば音も乱れ、無理に息を使ったら酸欠を起こして中断してしまう」 「太鼓のリズムが乱れバラバラなときは、笛がリードしてまとめなきゃならない。リズムを揃えるために、踊るように自分で拍子を取りながらメリハリを効かす。」

遠音 4.別れ

あまりにもあっけない別れだった。 まるで自分の寿命を知っていたかのように引き出しにメッセージが残されていたので、通夜と葬儀で参列者にかみさんのメッセージを読んだ。 主にかみさんの人生相談に乗った人たちへのメッセージだ。